創業何年目までに専任広報が必要?スタートアップが広報担当を採用するベストなタイミング

私がフリーランスとして独立した5年前から、スタートアップでは広報の重要性が注目されていました。「広報活動に力を入れたい。専任の広報担当者を採用したい」というニーズから、フリーランスとして独立してさまざまな企業をご支援させていただきました。

先日MaVieを設立し、久しぶりに新規のご相談を受け入れる余裕ができ、最近ではおかげさまで多くの方とお話する機会をいただいております。そこで驚いたのが、広報に課題をお持ちの企業の方たちとお話をすると、4年前とみなさんニーズが全く変わっていないんです。

今回のCOLUMNでは、広報担当者の採用タイミングについて書きたいと思います。

広報経験者の希少価値

5年前から、今もなお聞こえてくるこのフレーズ。

  • 広報担当者が採用できない
  • 社内にリソースがない
  • 社内に広報経験者がいない
  • 未経験でもアサインできる社員がいない

そもそも「広報」という職種自体、営業など他職種に比べてもとても少ないですよね。かつ「スタートアップ・ベンチャー企業に必要なスキルをもつ広報経験者」となると、さらに少数で希少価値が高くなっているように思います。

また社内の人員をアサインしようにも、兼任者だとなかなか本腰で広報活動へ時間が割けなかったり、社内に「広報未経験者しかいない」「他業務で手が回らない」という理由で、ついつい広報活動自体の優先順位が低くなり、後手になってしまう…

でも、いざとなったときに「広報とは」と調べても時遅し、なのです。
では、いつから始めればいいのでしょうか。

本当に広報担当って必要?

長年広報に携わり、創業初期から自社のブランディングを見据えて動くことはとても重要だと実体験でもありますし、広報の力でスタートアップの事業が加速することも事実。

昨年、家入さんのツイートが発端になったこちらの記事も話題になりましたね。

  家入一真「社員数人でも広報・PRは入れろ」ツイートに込めた思いとは

記事にもあるとおり、知名度や資金力で大手・上場企業に劣るスタートアップでは、「自社のストーリー」に共感してくれる優秀な人材の採用は不可欠です。

しかし多くのスタートアップの場合、サービスやプロダクトをリリースするまでは、売上が立たないことがほとんどで、VC(ベンチャーキャピタル)から調達した資金での会社経営をすることになります。

サービス開発・人材採用など最優先事項があるなかで、広報担当者の採用のタイミングの判断は、とても難しいと思います。広報は、直接的にお金を生む部署ではなく、KPIも立てにくい。そこでスタートアップでは、どのように判断すると良いのでしょうか。

広報担当の採用タイミングは、創業何年目?

この問いには、個人的に「創業●年以内に採用すべき」という明確な答えはないと思っています。

企業・サービス・プロダクトによって全く違いますし、プロダクトをリリースするタイミングもバラバラです。プロダクト開発からブランディング構築が必要なサービスもありますし、サービスリリースのタイミングから動き出すこともありますね。

ひとことで広報業務といってもは、ブランディング、メディアリレーション、SNS運用、社内広報など担当業務がとても幅広い。

そのため一気にまんべんなく行おうとすると、中途半端になってしまうことも多々見受けられます。

そこで重要なのは、この2つ。

  • なんとなく「広報しなきゃ」と採用を急ぐ前に、まずは自社の課題を認識すること
  • どの広報活動を優先すべきかを整理をすること

広報活動は、地道な継続が花を咲かせる仕事。そのため、確実に継続できることから始めることを個人的には勧めています。

これらを考えずに広報担当者を採用すると、途中で経営的な理由で広報を休止せざる負えなくなったり、ミスマッチな結果になるケースも少なくありません。双方に不幸な結果になってしまうのです。

C向け?B向け?自社サービスの特性を考える

自社のサービスが、C向け・B向けサービスかによっても必要な広報活動・採用のタイミングが変わってきます。

たとえば、C向けサービスを提供している企業では、ファンマーケティングの企画・運営が必要になることがあります。この場合はサービスリリース後、早々に自社コンテンツの発信やSNS運用・イベントの企画開催などが急務となるでしょう。

一方でB向けサービスの場合は、対法人顧客に向けたブランディング・認知を定めることが先決。そしてさまざまな成功事例が蓄積したタイミングで、その事例をもとに広報活動をしていくことがベーシック。

スタートアップの営業担当者は、「まだ認知度が低く、クロージングが難しい」という悩みがつきものです。こうした悩みを広報として解決するために、メディアへの掲載を増やすこと、事例発信をすることが求められます。

メディアの掲載実績があることで、企業としての信頼度が増しますので、商談時のクロージングの一助になることでしょう。



このようにスタートアップ業界では、まだまだ広報担当者のニーズが続いています。その一方で、企業が専任広報を採用するタイミングはさまざま。

サービスの特性などを踏まえた自社の課題を再確認し、広報業務の優先順位を見極めることが重要です。最適なタイミングでしっかりと広報活動を開始できるように準備をしていくことができたらベストですね。広報は、スタートアップの事業成長の肝になることもあります。今すぐに必要でなくても、広報についてはきちんと知っておくことが重要です。